研究重ね「しの笛」作り 祭り、手仕事好きの益子・大塚さん

 【益子】祭り、手仕事好きが高じて、しの笛を自ら製作する男性がいる。益子の大塚正夫(おおつかまさお)さん(65)だ。町内から、しの竹を調達し、油抜き、乾燥などを経て、1年以上かけて仕上げる。自らが丹精した1本で、多くのおはやしの担い手に演奏を楽しんでもらいたいと考えている。

 35年ほど前、地元の城内自治会がかつてあった山車を復活させ、地元の人たちが夏祭りなどでおはやしを担うことになった。

 祭りの一体感が好きだった大塚さんは、笛を担当。都内で手に入れたが、作り手は限られており「自分の気に入る笛を作ってみたい」と思い始めた。

 30年あまり、作り方の研究を独自に重ねた。町内の竹林から、竹を採って熱湯で4時間油を抜き、その後、1年間陰干し。笛に適した竹を40センチほどに切り、バーナーで加熱してまっすぐに整えてから、空気を吹き込む「唄口(うたくち)」などを開ける。

 穴の場所を計る物差しや削る刃物などはお手製だ。「一本として同じ竹はなく、美しい音色を奏でる笛の製作は奥が深い」と感じ、長年の試行錯誤で培った勘を頼りに、穴の位置、形状などを決めていく。

 手作りの笛の話を聞き付けた人に、その人の吹き方に合わせた笛を提供する。「いい音色」「よかった」と言ってもらえると、何よりうれしいという。