【宇都宮】市教委は16日、詩人野口雨情(のぐちうじょう)(1882~1945年)が終焉(しゅうえん)の地とした鶴田町の旧居を、市認定建造物に認定した。地域のシンボル的な建物などを対象に認定しており、今回で10棟目。市などは今後、旧居内部の公開を検討しており、雨情ゆかりの地としてのまちおこしにも弾みがつきそうだ。

 雨情は茨城県北茨城市磯原生まれ。「七つの子」や「赤い靴」、「シャボン玉」など多くの童謡を残し、北原白秋(きたはらはくしゅう)と西條八十(さいじょうやそ)と並んで日本三大童謡詩人と呼ばれている。1944年に現在の東京・武蔵野市から同旧居に疎開し、約1年後に死去するまで居住した。

 旧居は昭和初期に建てられた築約90年の木造平屋。現在は外観のみ公開しており、旧居近くにある「あの町この町」の詩碑などと合わせて観光客が訪れている。2005年に国の有形文化財に登録された。

 今回、建造物への認定は所有者の希望もあり実現。所有、管理する鶴田町の自営業稲毛登志一(いなげとしかず)さん(65)は「亡父が約60年前に雨情の遺族から購入後、修繕を重ねながら大切に守ってきた。認定建造物となることは今後も長く維持するための一助になると考えた」と思いを語る。旧居は現在、老朽化による床の強度不足などで内部は公開していないが、市は「公開に向け、時期や方法を所有者などと調整していきたい」としている。