「同じ境遇の子、助けたい」宇都宮のバンドボーカルTOMOYAさん 児童虐待防止へ街頭活動

 【宇都宮】市内を拠点に活動するロックバンド「Crazy Zephyr」(クレイジーゼフィル)の女性ボーカルTOMOYA(トモヤ)さん(50)は、児童虐待防止を目指し街頭活動などに取り組んでいる。養育先を転々とし、虐待を受けた幼少時代。「自分と同じ思いをしている子を助けたい」という思いを胸に、児童相談所への電話相談ダイヤル「189」への通報を呼び掛けている。

 「一人でも多くの子どもを助けるため、協力をお願いします」。24日午後。厳しい寒さの中、バンド衣装を着たトモヤさんは、馬場通り1丁目の二荒山神社前でバンドメンバーの小学生の娘Mire(ミレ)さんなど賛同者と共に、自費で製作した「189」の案内入りポケットティッシュを配って回った。

 県内で生まれた後、親の育児放棄で親戚の家など県外を転々とした。預けられた先で日常的に暴力を受ける中、「きれいな服を着ておいしいものが食べられる歌手になりたい。周りの人を見返したい」という思いが強くなった。

 14歳の時、親に一時引き取られ宇都宮へ。非行を繰り返しながらも中学を卒業し、上京してクラブ歌手などをしながら歌手を目指した。20歳になるころ、東京暮らしに疲れ、「青春時代を送った宇都宮なら頑張れる」と宇都宮で仕事やバンド活動に取り組んだ。

 バンド活動を通して芽生えたのは復讐(ふくしゅう)ではなく、「児童虐待防止をステージで訴え、自分と同じ境遇の子を助けたい」という思い。賛同者を増やしながら20年以上準備を重ね、2016年6月にバンドメンバーと初の児童虐待防止イベントを市内で開催した。