言葉の力強さと重みに気おされた。

 「他人に押し付けて逃げるのは誰でもできる。栃木も逃げるなって」

 福島県楢葉町で7月、指定廃棄物の処分施設周辺に住む菅波孝男(すがなみたかお)さん(59)を取材した時のことだ。本県の指定廃棄物を福島県内で処理するよう望む声があると伝えると顔色を変えた。

 菅波さんは行政区長を2期4年務め、施設受け入れの道筋をつけた。「福島のどこかが引き受けなければいけなかった」。反対派からは罵声を浴びたが、「逃げるのは嫌だ」と自ら2期目を望んだ。

 施設は日常の一部となった。放射能を特別視されるのも嫌う。「今ここで生きている自分たちを見てみてほしい」

 原発事故から7年が過ぎた。本県では農家の危険な庭先保管が続く。福島県とは事情が違う。だが県内外で押し付け合い、関係者以外はどこか人ごとのような現状には希望が持てない。

 「栃木は7年も何やってるんだ?」。菅波さんの問いに返す言葉がなかった。