思いを託された。そんな気がした。

 15日、東京・日本武道館で行われた全国戦没者追悼式を初めて取材した。

 本県の参列者は79人。高齢の遺族に取材を申し出ると、快く応じてくれた。

 父の胸に刺さった迫撃砲の破片、遺骨の代わりに届いた指の爪-。幼少期の記憶をたどり、戦争について語ってくれた。

 「若い人にちゃんと伝えないと、あの戦争が忘れられてしまう気がして」。ある男性はそう言って、30代の記者の目をじっと見た。

 取材中、胸の奥から一つの後悔が浮かんできた。

 5年前に他界した記者の祖父はシベリア抑留を経験した。91歳まで長生きしたのに、当時の話は聞いたことがない。祖父にとっての戦争とは何だったのか。望んでも、声はもう聞けない。

 本県の遺族会でも会員の高齢化や減少が進む。戦争体験者の話を聞くことは、年々難しくなっている。

 若い人に伝えたい。今しか聞けない話があるかもしれない。祖父母や曽祖父母らにいま一度、戦争の話題を振ってみてはどうだろうか。それは悲しみを知る遺族たちが望むことでもある、と思う。