結城紬、全工程ほぼ一人で担う 小山市職員の結城紬士・今泉さん

 【小山】市が設けた「紬織士(つむぎおりし)」の市職員今泉亜季子(いまいずみあきこ)さん(27)がこのほど、糸紡ぎを除く絣(かすり)くくりから地機織りまでの全20工程を一人で手掛け7反目の反物を完成させた。分業した場合、同工程には最低5人は必要になるという。今泉さんは「美しい絣模様を作ることが難しかった。一人で行う作業が多く苦労したが、達成感があった」と手応えを感じている。

 市は2014年度、後継者不足に悩む国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の結城紬の技術を伝承するため今泉さんを職員採用し、紬織士として技術習得研修を実施。今泉さんはこれまで6反の反物を完成させた。7反目は濃茶に染めた糸を使い制作日数は88日間を要した労作だ。

 図案は専用の方眼用紙に亀甲模様を描いて初めて作製。シンプルなデザインを心掛けた。6反目では一人で行う工程が13工程だったのに対し、今回は20工程を行った。

 今泉さんを指導する高椅(たかはし)の「坂入染店」の伝統工芸士坂入則明(さかいりのりあき)さん(61)は「基礎をきっちりやったことで着実にステップアップしている。今泉さんの努力と素質でここまでこれた」と評価する。