那須の観光、農業、福祉の連携による持続可能なまちづくりを目指し、整備が進められている那須町高久乙の複合施設「GOOD NEWS(グッドニュース)」で、環境に配慮した事業に取り組む店舗が並ぶ中核エリアが6日オープンした。近隣にある那須の人気菓子「バターのいとこ」の直売所などと合わせ、回遊してもらう狙い。
「食」をテーマに地域の社会課題解決に向けた商品や仕組みづくりに取り組むグッドニュース(那須町高久乙、宮本吾一(みやもとごいち)社長)が開設した。森との共生を掲げて現在、計約4・3ヘクタールを四つのエリアに分けて整備している。
この日、開所式が行われたのは、木造平屋の観光・商業施設(広さ約800平方メートル)やアウトドア体験ができる「ネイバーズ」エリア。同施設には、繰り返し使えるカップで提供するコーヒーショップや、チーズの製造工程で廃棄されるホエイ(乳清)を使った菓子店、規格外の花に付加価値を付けて販売する花店など9店舗が出店した。
開所式で宮本社長は「このお披露目会は第1弾。5年くらいかけて取り組みを進めたい」とあいさつ。出席した福田富一(ふくだとみかず)知事は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みや新たな観光スポットづくりに謝意を述べ、「さらに多くの方に自然を楽しんでいただけるよう、仕掛けを続けていただきたい」と述べた。
整備エリアではこれまでに、バターのいとこの直売所など酪農をテーマとした店舗が集まる「デァリー」を開設したほか、「ファクトリー」エリアでは、バターのいとこなどを製造する就業支援の新工場(広さ約1170平方メートル)も稼働した。今秋にはフードロス食材のメニューを提案する「ローカルレストラン」エリアの開業を目指している。