下野新聞社のウェブアンケート「選挙どうする?」で、若いほど投票への義務感が強いことなどが見えてきた。県選挙管理委員会は「若年層の投票率向上推進計画」の本年度中の策定を目指している。策定に向けワーキンググループ(WG)に参加する20、30代の若者たちに、同世代の選挙に対する考え方や空気感、投票率向上に関するアイデアなどを語ってもらった。

 

 大田原市の一般社団法人「えんがお」の代表理事浜野将行(はまのまさゆき)さん(30)は、世代や障害の有無を問わずさまざまな人が日常的に関わり合える地域づくりを目指している。地域サロンの運営など活動を支えているのは、地元の学生や若者だ。

 

 -普段の会話で選挙の話題は出てくるか?

 3月の大田原市長選にえんがおの活動に来てくれる市議が出馬したんです。若者たちもよく知っている『年上のお兄さん』だったので、自然と応援しようという雰囲気になりました。ただ昨年の衆院選について話題にする学生はほとんどいませんでした。市長選でも市議選でもなく、若者たちにとって遠いところの話だったのではないかな。
 
4人が激戦を繰り広げた3月の大田原市長選

 民意が政治に反映されにくいことが、若者の政治離れが進む一因と言われる。

 -なぜ若者たちが政治に関心を寄せないのか?

 自民党総裁選では若者にも人気だった河野太郎(こうのたろう)さんではなく、国会議員票で岸田文雄(きしだふみお)さんが選ばれました。ある人は『自分たちの声より中枢の意見が通る』と漏らしていましたが、市民の力が通用しないと感じることが多く、関心が薄れていく気がします。
 
 菅義偉(すがよしひで)前首相が取り組んだ携帯料金の引き下げは、若者も『恩恵を受けられた』と感謝している人が多いと感じました。若者にとって生活が改善したと実感できる政治をしてほしいです。
 
自民新総裁が岸田氏に決まったことを報じるデジタルサイネージ(電子看板)=2021年9月29日、宇都宮市江野町

 -若者や無関心層に投票してもらうには?

 選挙や政治に関心がない人たちも投票に行くきっかけをつくるのも手。ある国ではミュージカルの舞台上に投票箱を設置し、普段は上がることができない場所に行けると好評だったそうです。人気のスポーツ選手や俳優に会えるとなれば投票へのモチベーションも上がるし、投票するために候補者の情報も入手していくでしょう。投票所近くにキッチンカーがあると親子連れも行きやすいですよね。
 
 若者に向けた情報発信ももっと工夫できると思います。“若者に使われるはずの〇〇〇円分損する”“高齢者を意識した政治になって若者は生活しにくくなる”といったキーワードを出すことで、危機感を抱いて投票する若者も増えるではないでしょうか。
 
親子連れにも人気のキッチンカー=4月、茂木町内のイベントより