美術作品というと、絵筆や彫刻刀などによって生み出される先入観があるが、コンピューターを使って創作できるようになり、表現方法の可能性は飛躍的に広がっている▼さくら市ミュージアム開館25周年記念の「光と遊ぶ超体感型ミュージアム『魔法の美術館』」が盛況だ。夏休みの家族向け企画展ということもあり、7月14日に開幕して以来、1万3千人が入館した▼鑑賞する人が作品に触れたり、体を動かしたりすることで作品の色や音、映像が変化を見せる「体感型アート」である。最新のデジタル技術を駆使した13作品は8組の作家たちによって制作された▼最も人気があるのは「スプラッシュディスプレイ」という。動き回る的にボールを命中させると、色とりどりの光の粒が噴水のように吹き上がり、まるで色の大爆発が起きたような不思議な体験ができる▼制作者の一人、的場(まとば)やすしさんはものつくり大学特別客員教授を務めている。イベントで使った風船を割るボランティア作業をした際に夢中になり、単なる映像ではなく本当に爆発するものを作ろうと思ったのが作品のヒントになった▼人と作品とがコミュニケーションを取ることができる双方向の要素も、新しいアートなのだろう。世代を問わず夢中になって遊べ、子どもたちの歓声が響く美術館もいいものだ。