配達するビールのたるを積み込む小池さん=27日午後、宇都宮市星が丘2丁目

 新型コロナウイルス対策で県民に協力要請していた会食時の人数制限について、県が解除を決めた27日、県内で歓迎する声が上がった。飲食店関係者は苦境が長く続き「営業できていることが奇跡」と、制限緩和に胸をなで下ろす。一方、感染者が依然多い事への不安や、長引く自粛で思うように客足が戻らない事への懸念も浮き彫りとなった。

 27日夜、宇都宮市のオリオン通りには、ビールジョッキを手に思い思いに会食を楽しむ人の姿があった。

 宇都宮市、会社経営男性(59)は「(人数制限要請の解除は)経済面を考えれば必要。世界の流れも見て、ウィズコロナを考えるべきだ」と話す。

 一方、同市、会社員阿部美咲(あべみさき)さん(24)は「感染者数は多い。大人数での会食はまだ控えたい」と考える。

 飲食店や酒屋からは、要請解除を歓迎する声が相次ぐ。

 「大いにけっこうだよ」。小山市内の日本料理店の男性店主(72)は喜ぶ。宴会は利益の8割以上を占める営業の柱だが、コロナ禍以降は「ほとんど予約がない」状況だ。維持費や税金はコロナに関係なく請求される。「店をやれているのが奇跡」と吐露した。

 宇都宮市星が丘2丁目の小池酒店の店主小池和典(こいけかずのり)さん(54)は「飲みに行く人が増えるきっかけになればいい」と期待する。まん延防止等重点措置が解除されても、売り上げはコロナ禍前の7割程度。「感染対策と経済対策の両立を考えてほしい」と求めた。

 一方、要請が解除されても自粛傾向が長続きすることへの懸念もある。

 280人を収容できる宴会場を二つ持ち、官公庁や企業の利用も多い宇都宮市本町の「宇都宮東武ホテルグランデ」の担当者は解除を「率直に喜ばしい」と受け止める。宴会の際、感染対策下にもかかわらずホテル入り口での案内表示を避ける団体もある。手放しで宴会を開催しづらいムードを感じている。

 感染対策の徹底を県が認める「とちまる安心認証」取得状況にかかわらず、人数制限を解除することへの疑問の声も聞こえた。

 ある飲食店関係者は「認証を取って一生懸命対策してきたのに解除は同時なのか。対策状況での線引きは今後も必要だ」と訴えた。