罪を犯した人らの更生を支える保護司を任命する辞令伝達式が25日、宇都宮市小幡2丁目の宇都宮保護観察所で行われた。新たに12人が任命され、県内の保護司の人数は828人、定数に対する割合(充足率)は89.3%となった。
保護司は法務大臣が委嘱する地域ボランティア。保護観察対象者と定期的に面談し、生活相談をはじめ立ち直り支援の協力を求める地域活動などに取り組み、更生や再犯防止を目指す。
この日は11人が出席し、三宅仁士(みやけひとし)同所長から一人一人辞令を手渡された。
高齢化やなり手不足を背景に保護司の充足率は927人の定数に対し減少傾向が続いていたが、制度の周知や負担軽減の取り組みが奏功して徐々に回復しつつある。
県保護司会連合会の下妻久男(しもつまひさお)会長(74)は「罪の背景には孤立などさまざまな社会的要因や生い立ちがある。立ち直りには専門的なサポートに加えて人と人とのつながりの力が必要だ」と強調した。