第1クオーター、得点を決め味方へポーズをとるブレックスのフィーラー=川崎市のとどろき体育館

 狙い澄ましたパスカットから背番号20がコートを縦断する-。最大18点あったブレックスのリードが1桁に詰められた第3Q残り54秒、流れを呼び戻すビッグプレー。背番号20のバックダンクに対するファン総立ちの喝采は、この日のヒーローにふさわしいものだった。

 「チームでしっかり戦った結果だよ」という謙虚な勝利の立役者はチェイス・フィーラー。チーム最多18得点、守備では主に大黒柱のニック・ファジーカスとマッチアップし、攻守にわたる奮闘ぶりだった。

 内外角のポジションを器用にこなすユーティリティー。長身選手を並べる川崎の「ビッグラインアップ」に対し、重要な役割を担った。

 第1Qは迷いない3点シュートで相手の目線を外角に向け、ゴール下ではオフェンスリバウンド4本全てを得点につなげた。守備は長い腕を生かして要所でのスチールも光った。

 数字に残らない貢献も見逃せない。ガード陣がゴール下へ切り込むのを見ると、速攻を警戒してガードの位置をカバー。さらに「相手を休ませない意識だった」というハードワークで相手の狙いを狂わせていった。

 「泥臭さ」「ひたむき」「献身性」。そんな自らを形容する言葉はブレックスの精神そのものだ。自身の活躍は「他の選手がマークを引きつけてくれるおかげ」と仲間に感謝する29歳。個人成績には目も向けず、チームの勝利を喜んだ。