「もやっとしたもの」がぬぐい去れない。東京高裁判決にそんなことを感じた。

 日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件。控訴審判決が3日、言い渡された。無罪を訴える弁護団と、有罪を主張する検察側の全面対決。高裁の結論は「無期懲役」。一審と同じ結論だが、有罪を導いた理屈は大きく違った。

 殺害状況を詳細に語った被告の「自白」。高裁は信用性を否定した。一方、状況証拠だけでも犯人と認定できると判示。どちらも一審とは反対の判断だった。

 下野新聞社が発行した控訴審判決を伝える号外。写真の中で女児は、はにかんだ笑顔を見せる。無念さは計り知れない。

 いつ、どこで人生を奪われたのか。なぜ事件は起きたのか。控訴審判決にその答えはない。捜査機関も司法も報道も、真実に迫り切れていない現実。そこに「もやっとしたもの」の理由がある。

 「遺族の想いは、ただ一つ真実を知りたい。そのことだけです」。判決後の遺族の言葉が重く響いた。