渡良瀬遊水地内で撮影されたイノシシ=3月、野木町(県提供)

渡良瀬遊水地内で撮影されたイノシシ=3月下旬、野木町(県提供)

渡良瀬遊水地内で撮影されたイノシシ=3月、野木町(県提供) 渡良瀬遊水地内で撮影されたイノシシ=3月下旬、野木町(県提供)

 渡良瀬遊水地でのイノシシやニホンジカの生息拡大を防ぐため、栃木県は14日までに茨城、群馬、埼玉の3県と「渡良瀬遊水地連携捕獲協議会」を設立し、本年度はドローンやセンサーカメラを使った生息数調査に加え、わなを使った捕獲を実施することを決めた。ラムサール条約湿地に登録された希少な自然環境や周辺農地を鳥獣被害から守る。

 環境省の「指定管理鳥獣捕獲等事業」の支援を受けた取り組み。渡良瀬遊水地にイノシシは元々生息していなかったとされるが、19年度に県が実施した調査では205頭が確認された。シカは県が設置したカメラで20年度に初めて1頭撮影された。

 周辺ではイノシシによる農業被害が増加。遊水地には渡良瀬川、思川、巴波川が流れ、生息数が増えれば河川敷を伝ってさらに分布が広がる可能性がある。シカが定着すれば希少な湿原植生の被害も懸念される。

 協議会は本年度、同省の交付金3200万円を活用し、赤外線カメラを搭載したドローンを使って夜間調査を行い分布や頭数を把握する。定点カメラを活用した生息数の季節変動調査も行う。対象は遊水地全域(約3300ヘクタール)と周辺の河川敷。上空から個体を確認しやすい冬期に開始し、並行して捕獲も実施する。

 遊水地では小山市と栃木市もイノシシ捕獲に取り組んでいる。県は野木町にわなを設置し、20年度は7頭、21年度は8頭を捕獲した。県自然環境課は「イノシシやシカは移動するので個別の取り組みには限界がある。調査で生息状況を把握し、効果的な対策を講じたい」としている。