「サシバの里自然学校」校長の遠藤隼さんが、親子で一緒に自然に親しめる遊びやイベント、身近なフィールドを紹介します。

 

 近年、野外で保育活動を行う団体が増えていることをご存じでしょうか。特に「森のようちえん」と呼ばれる日常の保育を自然の中で過ごすスタイルの保育活動に注目が集まっています。

 森のようちえんと言っても活動フィールドは「森」だけでなく、野山や川、里山、田んぼ、畑、自然公園などの自然の中を指します。さらに「ようちえん」とは保育施設、自主保育、自然学校、育児サークル、子育てサロンなどを含め、就学前の子どもたちを対象とした自然体験活動を指しています。

さまざまな自然体験活動団体の催しを体験できる「キッズ&森のようちえんフェス」

 活動形態もさまざまです。認可外保育施設やNPO法人として通年で実施している団体のほか、自然体験活動団体のイベントとして実施しているケースもあります。私が代表を務める「とちぎ森のようちえんネットワーク」には、県内で活動している6団体が登録されており、通年型が3団体、イベント型が3団体あります。

 森のようちえんの魅力は、なんと言っても自然の中での遊びに重点を置いていることでしょう。自然遊びのポイントは、子ども自らが主体的に遊びを生み出す必要があるところです。自然の中のものは、現代遊具のように遊び方、使い方が決まっているわけではありません。提供される遊びに慣れた子どもたちには、自然を目の前に自ら遊びを生み出すことは意外と難しいかもしれません。

 しかし、子どもは遊びの天才ですから、活動の中で徐々に遊び方、楽しみ方を見つけ、考え、試し、繰り返すことで学びます。そのクリエーティブな発想に、いつも大人は驚かされるばかりです。そして、いつしか子どもたちは遊びを通して自然の中に溶け込んでいくのです。

手の上で毛虫の感触を楽しむ子ども。自然の中にある何げない一コマも子どもたちの遊びにつながっていく

 このような活動が展開される森のようちえんですが、全国の様子と比べると本県での実施団体は多くはありません。そこで、とちぎ森のようちえんネットワークでは、昨年度から年2回の団体合同の体験会を実施し、幼児期の自然体験や森のようちえんの魅力を発信しています。さらに本年度は、子ども向け自然体験活動団体と連携する形で、「キッズ&森のようちえんフェス」の開催を予定しています。幼児期の自然体験や森のようちえん活動にご興味のある方は、ぜひご参加ください。

 また、県内で幼児期の自然体験や森のようちえん活動を実践されている団体・グループを探しております。今後、上記の合同体験会などにご協力いただける団体の方、ご連絡お待ちしております。

 *参考文献…森と自然を活用した保育・幼児教育ガイドブック

◆遠藤隼(えんどう・じゅん)さん◆1984年、宇都宮市生まれ。大学卒業後、静岡県にある自然学校職員として子どもキャンプやエコツアーを指導。2012年8月から1年以上かけて、自転車でユーラシア大陸横断・南米縦断をした。2021年度宇都宮大大学院修了、研究テーマは「里山での幼児向け体験型環境教育の実践と評価」。現在はサシバの里自然学校校長、作新学院大女子短大部非常勤講師。