幕末の壬生藩は下野国でいち早く蘭学を採用し、町内の蘭方医が人体解剖や牛種痘を実施するなどある意味、開明の地だった▼そうした土壌があったからか、1874(明治7)年11月、英語を中心に欧米の学問を教える私立の英学校「育英社」が旧壬生藩校を利用して開校した。「北関東で初の本格的英学校」とされ、文化レベルの高さがうかがえる▼昨年夏、壬生町内の旧家から町歴史民俗資料館に寄贈された資料の中から「私学校願」など4点の新資料が見つかり、概要が初めて判明した。元藩医ら名士が私財を投じて設立し、専門の英語教員を雇っていた▼残念ながら存続期間は数年で、担当学芸員は「財源の確保が難しかったのでは」と推測する。町史には「開校は幻に終わった」と記されているため、修正の必要がある▼英学校の来歴と直接関係はないだろうが、町は本年度から、全中学生を対象にした英語教育に力を入れている。例えば週1回、朝の学習時間に15分間、6人1組でネーティブイングリッシュ講師とオンラインで英会話をするほか、英検受験料が年1回、全額補助される▼昨年「子どもの育成に役立てて」と、町内2企業から多額の企業版ふるさと納税があり、活用した。家庭の経済力の差に関係なく、すべての子どもの英語力が向上する機会となるだろう。