河内屋の復活に尽力した君島副住職(前列右)、君島雅之さん(後列右)、藤田学さん(同左)。前列左は元店主の君島テルさん

 【那須塩原】1960年代から約40年間、営業した高林の駄菓子店「河内屋(かわちや)」が、地域活性化を目指す住民有志の手で17年ぶりに再開した。地域の祭りの復活を機に、住民らが思い出の店をよみがえらせようと力を合わせた。往年のレトロな雰囲気を残しつつ、大人向けの雑貨や小物を販売するなど新たな趣向も加えた。発起人で高林寺(こうりんじ)の君島真実(きみじままこと)副住職(41)は「子どもから大人まで多様な人が集まれる場所にしたい」と話す。

 再開のきっかけは4年前、地域の伝統だった「高林寺夏祭り」が約60年ぶりに復活したことだった。祭りは若い世代の尽力で盛り上がり、企画した君島副住職は「この雰囲気が年に1日だけなのはもったいない」と感じて仲間と意見を交換。そこで出たアイデアが、かつて高林小の近くにあった河内屋の復活だった。

 河内屋は当初は旅館だったが、65年ごろから駄菓子店となり、同校児童の憩いの場だった。しかし、2005年に閉店。君島副住職が、元店主の君島(きみじま)テルさん(94)の家族に相談したところ、「地域のために役立つなら」と、無償で建物を貸してもらえることになった。

 昨年11月に建物の改装がスタート。君島副住職の仲間の大工君島雅之(きみじままさゆき)さん(39)、会社員藤田学(ふじたまなぶ)さん(41)の2人が協力した。2人は同校OBで、「思い出の場所が再開するのはうれしい」と口をそろえる。

 4月23日に営業が再開。初日は多くの親子連れのほか、テルさんも来店した。店内には50種類以上の駄菓子や水鉄砲、けん玉などの昔懐かしい商品がずらり。壁際の棚は一区画月300~500円で貸し出し、アクセサリーや小物を作る個人が商品を置けるようにした。店番は地域のお年寄りを中心とした約20人がボランティアで引き受けてくれることになった。

 営業日は土日祝日の午前10時~午後6時。駐車場は同店近くの高林神社参道を使用できる。君島副住職は「目指すのは子どもと大人の楽しいたまり場。幅広い世代の人が交流することで新しいアイデアが生まれ、地域の課題解決につながればうれしい」と夢を膨らませている。

 再開に伴い、君島副住職らは今月16日~6月5日、同店のさび付いた屋根の補修や冷蔵庫などの備品をそろえるため、クラウドファンディング(CF)を実施する。目標額は100万円。CFサイト「キャンプファイヤー」で受け付ける。