3年ぶりの開催でにぎわう「益子春の陶器市」も8日、最終日を迎える。思えばコロナ禍で初の中止となった2020年春以降、秋を含む恒例イベントの看板を守り続けたのは「WEB陶器市」だった。効果は多大と言えるだろう▼町の地域おこし協力隊員だった水野大人(みずのひろと)さん(41)は特別な思いで今回の市を見守った。IT関連の職歴を生かした協力隊員として、約3週間でWEB陶器市のサイトを立ち上げるなど中心的な役割を果たしたからだ▼町内にデジタルマーケティング会社を起業し、21年春に協力隊を卒業した後もWEB版のサポートに入った。「陶器市をつなぐことができた。それが何よりうれしい」と喜ぶ▼県内の隊員は4月1日現在で宇都宮などを除く18市町の54人。任期終了後も赴任先や近隣市町に住み続ける元隊員の定住率は年々上がり、21年度は67・2%と全国平均を約2ポイント上回った▼県によると、受け入れた自治体のフォローや定住促進に向けた起業支援、各種助成制度などが増加の要因とみられ、定住者の4割が起業しているという▼こうした隊員向けの起業セミナーを県は昨年度初めて主催し、基礎から応用を学んでもらう場などを本年度も予定している。本県を選んで暮らし、地域活性の「エンジン」となる隊員や卒業生が今後も続くことを期待したい。