男性育休、こう変わる改正育児・介護休業法のスケジュール

 「新入社員の89.8%が、男性の育児休暇を希望している」-。あしぎん総合研究所が2021年春、栃木県内の新入社員を対象に実施したアンケート結果。調査を始めた17年時点でも78.2%と高水準だったが、より多くの若者が男性の育児休業を前向きに捉える流れは明らかだ。

 一方で、「理想と現実」には大きな隔たりがある。国は25年までに男性の育休取得率を30%にする目標を掲げるが、20年度は12.65%止まり。県の調査では19年は12.8%、20年は17.9%と年々上昇しているものの、国の目標値には及んでいない。

 宇都宮共和大子ども生活学部の蟹江教子(かにえのりこ)教授(家族社会学)は「企業にとって推進するメリットが少ないと考えているのでは」とみる。

 男性の育休取得を巡り、企業は従業員のカバー態勢をはじめ、職場全体の効率化や業務見直しが必須となる。だが、限られた人員の中で変えることは難しい。従業員も、職場を離れることによるキャリア形成への懸念は拭えない。既成の概念から抜け出せない両者の意識が、ためらいの雰囲気を生み出している。

 子育てしやすい環境を整えるため順次施行される「改正育児・介護休業法」では、子どもが生まれる従業員への育休取得の意向確認を4月から義務化。10月には、出生後8週間以内に4週間分の休みを分割取得できる「出生時育児休業(産後パパ育休)」が始まる。現行の育休も分割して2回取得できるようになる。来年4月には、1千人超の企業に年1回の取得状況公表が義務付けられる。

 栃木労働局には、今年に入り企業からの相談窓口への問い合わせが急増。担当者は関心の高まりを実感する一方で、「若者は働きやすい環境を求めて仕事を選んでいる。企業にとって優秀な人材確保のためにも男性育休の整備は欠かせない」と企業の意識改革を促している。

 蟹江教授も、社会的な側面から男性育休の効果に期待を寄せる。「育児は仕事と違って結果が分かりにくい。だが、携わった人や家族にとって貴重な経験となり、人間性を広げるきっかけになる。一歩一歩進めていくしかない」