県内事業所で働く男性の育児休業取得率の推移

 栃木県内の事業所で働く男性の2020年の育児休業取得率は前年比5.1ポイント増の17.9%だったことが4日までに、県労働政策課がまとめた21年労働環境等調査で分かった。県が「とちぎ男女共同参画プラン」で設けている17%の目標値は超えたものの、取得者の6割が2週間未満と短期間で、規模の小さい企業ほど取得しにくい傾向がみられるなど課題もある。4月から段階的に「改正育児・介護休業法」が施行され男性の育休は取りやすくなるが、識者らは各企業による環境づくりを進める必要があると指摘している。

 調査は常用労働者10人以上の県内2千事業所を抽出し、21年9月30日時点の状況を尋ねた。育休に関する設問は20年(西暦または会計年度)の実績。861事業所が回答し、有効回答率は41.1%だった。

 育休の取得期間は、2週間未満が62.7%を占めた。2週間~1カ月未満は11.9%、1~3カ月未満13.4%、3~6カ月未満と6~12カ月未満はそれぞれ6.0%だった。12カ月以上は0.0%。その一方、女性は9割が半年以上で、男女差は大きい。

 企業規模別に男性の取得率を見ると、300人以上が最も高く22.1%。次いで10~29人が14.0%、100~299人は13.1%、30~99人は12.2%だった。産業別では「不動産業、物品賃貸業」が100.0%、「学術研究、専門・技術サービス業」が50.0%と高かった。

 育休に関するリポートを多数執筆しているニッセイ基礎研究所(東京都)の久我尚子(くがなおこ)上席研究員は「中小企業で取得しにくいのは、人手不足で職場に余裕がないのが要因とみられる。法律に合わせて社内の細かい制度を整えるなど、丁寧に進めていくことが大切」と話している。

 女性の社会進出や少子化対策の浸透などに伴い、本県での男性の育児休業取得率は年々上昇傾向にあり、19年に初めて10%を超えた。県は男女共同参画プラン(計画期間21~25年度)で、17%への引き上げを目標に設定。国は、25年に30%を目標に掲げている。

改正育児・介護休業法

 今年4月から段階的に施行。企業には育児休業を取得しやすい雇用環境の整備や、子どもが生まれる労働者に育休を取得するかどうかの意向確認などが求められる。10月には子どもの誕生から8週間以内に取得できる出生時育児休業(産後パパ育休)が新設。来年4月以降は、従業員1千人超の企業に育休などの取得状況を公表することが義務付けられる。