冨沢三輪子さん

冨沢三輪子さん

 企業や自治体で浸透したクールビズだが、どのような服が適切か、迷う女性は今も少なくない。特に今年は記録的な暑さが続き、ついつい軽装が進みがち。改めてポイントを押さえておこう。

 「セクハラだと訴えられても嫌だし…」。露出の多い服で出勤する職場の女性を引き合いに、宇都宮市内の会社に勤務する40代男性はため息をつく。男性にとって、女性に服装のことを注意するのは荷が重いようだ。

 こうした声を受け、人材育成などを手掛ける「オマージュ」(宇都宮市戸祭町)のマナー講師冨沢三輪子(とみさわみわこ)さんは「女性のクールビズで大切なのはおしゃれではなく、身だしなみ」と強調する。

 「働く人は、その会社が扱っている商品の代弁者でもある。会社の信頼につながることを一人一人が自覚し、さまざまな年代、価値観の人に受け入れてもらえる服装が大事」とアドバイスする。

 ポイントは「清潔」「上品」「控えめ」の三つ。「相手が仕事に専念できる服装」を心掛ける。軽装といってもビジネスの場合、タンクトップやキャミソール、つま先・かかとが見えるサンダルなどは、だらしないのでNG。暑くても必ずストッキングを着用する。

 「暑いとルーズになりがちですが、かがんだ時に胸元が見えないか、腕を上げた時に脇からブラジャーが見えないかどうかも確認を」。さまざまな冷却アイテムを活用するのも一つの手だ。

 多くの企業が人手不足に悩む中、「常識外の服装でも、『注意したら辞められてしまう』と仕方なく黙認する経営者もいる」と冨沢さん。服装を注意する時は、いきなり本題を切り出すのではなく、「いつもよくやってるね」などと前向きな話で挟んで伝える「サンドイッチ話法」が効果的だという。

県内企業などのルールは? 「信頼のため規定」「個人の良識で」

 県内の企業などは服装に関するルールをどうしているのか、聞いてみた。

 規定を設け、最も細かくドレスコードを定めているのが金融機関。足利銀行は女性行員の93%が制服だが、私服で働く行員もスーツ着用が原則。夏場も襟付きシャツかブラウスが基本で、襟なしインナーを着る場合はジャケットを携帯しなければならない。

 こうしたドレスコードを各職場に掲示し、職場単位で点検をしているという。広報担当は「お客さまに信頼感を感じていただくため、従業員全体のあるべき装いを規定する必要がある」と話す。

 県や宇都宮市は「華美なものを避け、節度ある服装を心掛けるなど、職員としての品位を損なうことのないように」などと職員に通知し、意識を統一している。「個人の良識に任せているが、これまで解釈に食い違いが生じて指導した事案は聞いたことがない」と県人事課。同市は、服装の基本的な考え方や具体的な基準も通知に示している。

 同市内の食品メーカーは「規定はなく、個人に任せているが、これまで問題は起きていない」という。

 さまざまな企業へ人材を派遣する同市内の人材派遣会社では「派遣スタッフの身だしなみは派遣先のTPOに合わせてほしいと伝えている」。だが、夏場は派遣先の企業から「肌の露出が多い」などとスタッフに対するクレームを受けることもまれにあるという。担当者は「仕事へのモチベーションに影響するので注意しづらい面もあるが、遠回しに気付きを与えるように指導している」と話している。