リバウンドを奪うブレックスの喜多川。不調時もハードワークを貫き、懸命にチームの勝利に貢献してきた=4月30日、ホーム千葉戦

 1日のホーム最終戦で千葉Jを撃破したバスケットボールB1の宇都宮ブレックス。東地区首位の難敵からの白星は、要所の3点シュートやスチールと攻守で存在感を見せた喜多川修平(きたがわしゅうへい)の活躍なしには語れない。中盤戦までは絶不調に陥り「キャリアの中でも苦しい時期」を過ごしたと語る背番号31はシーズン最終盤、ついにトンネルを抜け出した。

 今季序盤戦で右アキレス腱(けん)を痛めたことが全ての始まりだった。「足で地面をつかむ感覚がなくなった」。持ち味の3点シュートはリングに嫌われ続け成功率は一時20%を切った。「打った瞬間に外れたと分かる」感触は、深刻な状況を表していた。

 だからこそ在籍5年目、36歳のベテランはハードワークに活路を見いだした。何度もコートに倒れ込みながらルーズボールに飛び込んだ。球際で体を張ること、守備で頑張ること。それがブレックスの勝利の哲学であると知っていたからだ。

 そんな姿勢を首脳陣も見逃さず助言を送り続けた。「シュート以外の部分も高く評価してるからな」。佐々宜央(さっさのりお)アシスタントコーチのひとことが、苦しむ喜多川の心のもやを取り払った。

 シュートフォームについてアドバイスを送ったのは安斎竜三(あんざいりゅうぞう)監督。「以前はもっと打点(ボールを放す位置)が低かったはずだ」。下半身の力を確実にボールに伝える本来の形を思い出させ、その精度は、ここに来て戻ってきた。

 今、喜多川は不調時も信頼し続けてくれたチームへの感謝をプレーで体現しようとしている。「より責任感を持ってプレーしています」。暗闇の中でも失わなかった献身性が、チャンピオンシップへと向かうブレックスを加速させている。