県内ミニ統一地方選の投票率

 任期満了に伴う首長選と市町議選が続いた県内「ミニ統一地方選」は、24日の2市議選を最後に終了した。選挙戦になった10選挙のうち、投票率が過去最低となったのは8選挙。7市町議選は全て最低を更新する結果となった。多くの関係者が新型コロナウイルス禍を要因に挙げるが、識者からは身近なはずの地方議員と有権者との距離を懸念する声も上がっている。

 今回のミニ統一選で唯一、首長と議員の同一選が行われた栃木市は、両選挙ともに投票率最低を更新した。市長選で再選を果たした大川秀子(おおかわひでこ)氏は18日の記者会見で、コロナの影響で活動が制限され「選挙に関心を持ってもらうことができなかった」と話した。

 下野市議選の投票率は、前回比4.51ポイント減の41.82%。同市選挙管理委員会は「現職候補が選挙カーを自粛した。候補者の生の声が伝わらず、全体として選挙の周知不足につながった」と分析する。

 前回比7.50ポイント減の56.47%となった那須烏山市議選で当選したベテラン議員は選挙カー自粛の影響に加え、2019年の選挙で半減した当日投票所の数にも触れ「『近くに投票所がないから行かない』との声も聞いた」と漏らした。日光市議選は51.32%にとどまり、同市選管は「今回は市議選単独だったことが大きな要因ではないか」とみる。

 全市町議選の投票率が過去最低となったことについて、宇都宮大地域デザイン科学部の中村祐司(なかむらゆうじ)教授は「市町議員は一番身近な存在のはずだが、実際には有権者と距離がある」と指摘。「地道に訴えや考えなどを発信し、存在価値をより高める必要がある」と強調する。

 一方、現職が敗れる激戦となった大田原と益子の2市町長選は、いずれも投票率が前回を上回った。益子町長選で一騎打ちを制した広田茂十郎(ひろたもじゅうろう)氏の陣営幹部は「保守分裂で僅差の戦いが予想される中、両陣営とも票の掘り起こしに力を入れた」と振り返る。

 4人が立候補し、新人の相馬憲一(そうまけんいち)氏が現職を189票の僅差で破った大田原市長選は、前回比15.12ポイントの大幅上昇。激しい論戦が有権者の関心を高める効果を上げたことがうかがえる。しかし、投票率自体は50%台前半止まり。同市選管は「積極的に投票を呼び掛けたが、有権者一人一人へのアプローチはできない。一票の大切さを知ってもらいたい」としている。