住んでいる地域は今後どうなるのか。多くの人が、漠然とした不安を感じているだろう。人口が減る以外に具体的なデータがあまり示されないため、対応策もなかなか浮かばない▼この状況を改善しようと、現在の傾向が続けば2050年にどうなるかを市町村ごとに予測するソフト「未来カルテ」が作られた。グラフを使って結果を分かりやすく示す▼制作した倉阪秀史(くらさかひでふみ)千葉大教授は「もともとエネルギーと食糧の需要をその自治体で賄えるのか、自給自足の状況を分析していました。100%であれば永続地帯だが、『人がいなくなるのに永続とは』との指摘もあり、持続可能性も分析した」▼ベースは国立社会保障・人口問題研究所が出す市町村別の人口予測。これに基づき50年までの人口・年齢構成の変化を推定し、産業構造、農業や建設業、医療福祉など主要産業の変化や将来像も分かるようにした▼国は地方創生策として、人口減少の深刻化を訴え対応を迫った。自治体は子育て環境の改善、婚活の推進などの施策を実施したが成果はあまり上がっていない▼将来像が分からないままの対策が要因の一つ。データに基づく政策立案には程遠かった。地方創生は当時の政権の「やっている感」を演出したものの、現首相の1月の施政方針演説からは、その言葉は消えてしまった。