鳥料理・串焼き店を真岡市で営む小倉力人(おぐらりきひと)さん(46)は、イチゴ生産の兼業を始めて最初の春を迎えた。約20人を雇う本業を続けつつ、イチゴで新規就農する例は県内でも珍しい。きっかけはコロナ禍だ▼客足が鈍り売り上げも落ち込んでいた昨年、市内観光農園のハウス12棟を知人から譲り受け、指導も受けた。コロナ後の加工商品化を視野に参入を決断し、経営も順調で出荷を続けている▼JAはが野管内のイチゴ農家は年々減少し、今季は517人と過去最少を更新した。要因は高齢化に伴う離農と後継者難で、打開策を見いだせない。同JAに限らず、全国的な傾向という▼こうした現状を踏まえ県が昨年新設した県農業大学校いちご学科に今春、2期生が入学した。女性2人を含む県内外の10代~40代の6人。1期生7人と共に栽培技術や経営知識の習得に励む▼イチゴは漢字で「苺」と書く。親株がどんどん子株を生み出すことから、「母」の文字が入ったとされる。1シーズンに1株が付ける実は100個強という▼イチゴは本県が生産量日本一を続ける代表作物の一つだ。しかし、その座は永遠に約束されているわけではない。就農の動機も、学び方も、人それぞれでいい。子株のように将来を担う人材が次々と成長し、「いちご王国」を支え続けることを期待したい。