渡辺喜美氏

 6月22日と想定される参院選の公示日が2カ月後に迫る中、改選を迎える無所属の渡辺喜美(わたなべよしみ)参院議員(70)の去就が注目されている。下野新聞社の取材に渡辺氏は「立候補の意思は変わらない。5月の連休が明けたら本格的に動きだす」と主張。一方、具体的な動きは表面化しておらず、出馬の見通しは定まっていない。

 渡辺氏は当初、今春までに出馬の形態を決める意向を示していたが、時期はずれ込んでいる。関係者によると、厳しい戦いが予想される選挙区で出馬する可能性は低いとみられる。比例代表で出るには政党から公認を受ける必要があるが、渡辺氏は「相手があること」として明言を避けている。

 渡辺氏は閣僚まで務めた自民党を2009年に離党。旧みんなの党の結党と解党、14年衆院選での落選を経て、16年参院選でおおさか維新の会(現・日本維新の会)から比例代表で当選した。同党副代表に就いたが、17年都議選での対応を巡り除名処分を受けた。

 現在、国会では「NHK受信料を支払わない国民を守る党」の参院議員と2人会派を組む。同党からは「党名を『みんなの党』に変更する」と結党に向けて秋波を送られたこともあったが、双方の思惑がすれ違い実現には至らなかった。

 地元後援会は3区内の旧市町村単位でつくるが、父の美智雄(みちお)副総理時代から支えてきた臼井亮平(うすいりょうへい)後援会総連合会長が3月に死去。渡辺氏の出馬について定まらなければ後任も決められない状況という。後援会関係者からは「このまま辞めてしまうのはもったいない」との声が上がる一方、「どの政党からも出られないだろう」(自民関係者)と厳しい見方もある。

 渡辺氏自身は、ロシアによるウクライナ侵攻を念頭に「国際情勢が国内の政治にも影響する可能性がある」とみて、政局を注視する。「政治家としての反射神経を研ぎ澄ます」。そう繰り返してきたが、決断までに残された時間は少ない。