宇都宮地方・家庭・簡易裁判所

 栃木県那須町で2017年3月、登山講習会中だった大田原高の生徒7人と教諭1人が死亡した雪崩事故を巡り、5遺族が県や県高校体育連盟、講習会の責任者だった教諭ら3人に計約3億8500万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、3教諭がいずれも訴えの却下を求める方針であることが20日、関係者への取材で分かった。被告として不適格だと主張する見通し。第1回口頭弁論は27日、宇都宮地裁で開かれる。

 関係者によると、3教諭側は公務員が職務で損害を発生させた場合、国や自治体が損害賠償責任を負うとする国家賠償法を理由として賠償責任を否定する考え。被告として訴訟の当事者にはなり得ないとして、訴えの却下を求めて争う構えを見せている。

 遺族側の訴えの内容自体に対しては、棄却を求めるという。3教諭は民事訴訟に先立つ民事調停に出席せず、これまで主張を明らかにしていなかった。県側は国家賠償法上の責任自体は認めるとみられる。

 遺族側は訴状で、冬山登山を禁じた国などの通達や事故発生前日からの雪崩注意報、事故の7年前の講習会でも雪崩事故を経験していた点から、3教諭が雪崩発生を予見できたと指摘する。「雪崩発生の危険性が限りなく高い条件下で雪上訓練を強行した」として3教諭の責任を追及する。

 教諭個人への賠償請求は、体罰など明らかな故意があった際に認められる場合があり、遺族側は訴訟で、訓練を行った3教諭の判断に故意と同等に評価されるほどの重大な過失があったと主張する方針。

 3教諭を巡っては、宇都宮地検が2月、雪崩発生は容易に予想されたのに漫然と雪上訓練を行って8人を死亡させたなどとして、3教諭を業務上過失致死傷罪で在宅起訴している。