4日の関西大戦で好投した京都大の愛澤(チーム提供)

4日の関西大戦で好投した京都大の愛澤(チーム提供)

4日の関西大戦で好投した京都大の愛澤(チーム提供) 4日の関西大戦で好投した京都大の愛澤(チーム提供)

 マスクをかぶれば頭脳派集団を統率する捕手、マウンドに立てば下手投げのサブマリン-。強豪ひしめく大学野球の「関西学生野球」で栃木県出身の“二刀流男”が奮闘している。京都大4年の愛澤祐亮(あいざわゆうすけ)捕手(21)=宇都宮高出=だ。4日の春季リーグ開幕節・関西大戦では本職ではない投手として大学初登板し勝利に貢献。京都大にとって20年ぶりの開幕節の勝ち点奪取を呼び込んだ。快挙にも浮かれず「優勝して神宮へ」と下克上へ燃えている。

 小学4年から野球を始め、鬼怒中では宇都宮ポニーに所属した。実力を評価し、声を掛けてくれた学校もある中で進んだのは宇都宮高。県内屈指の進学校から「本気で」甲子園を目指してきた。主戦投手として活躍した最後の夏は、2回戦で優勝候補・青藍泰斗と延長十回に及ぶ死闘の末に惜敗した。

 その後、京都大へ進学。それには理由がある。以前から「強い相手を倒して成り上がる生き方に憧れがあった」からだ。

 元甲子園球児の居並ぶライバル校と比べ、京都大の選手は実績や経験で劣るが「野球への知識欲がすごかった」。最新機器を使った球質計測や試合データの解析-。あらゆる手段で差を埋めようと研さんするチームカラーが合っていた。自身も下級生時は中堅手、3年時から正捕手として活躍。次第に他校と肉薄する試合が増えていった。

 関西大との開幕節は2戦目まで捕手として投手陣を巧みにリード。1勝1敗で迎えた第3戦で先発投手に抜てきされた。

 平日の試合は主力投手が実習で参加できない事情があり、「2月から準備していた」。高校時代に習得した下手から投じる直球に変化球をうまく織り交ぜ、4回無失点。その後は捕手として序盤のリードを守り4-2。昨秋王者から勝ち点を奪う金星を飾った。

 東京大で活躍する高校時代の同級生、阿久津怜生(あくつれお)外野手(21)の存在も刺激に大学ラストイヤーの快進撃を続ける意気込みだ。「相手は京大に負けられないという重圧を感じている。高校時代と同じで僕らは挑戦者」。高校の時にはね返された「強豪の壁」を打ち破る時がついに来た。