4月10日告示、17日投開票の栃木市長選は告示まで2週間を切った。いずれも無所属で、市政の継続を訴えて再選を目指す現職大川秀子(おおかわひでこ)氏(74)=自民、公明推薦=と、市政を変えようと主張する宇都宮大名誉教授の新人高際澄雄(たかぎわすみお)氏(73)が立候補を表明。一騎打ちが濃厚となる中、構図や対立点を探った。

市中心部にある栃木市役所本庁舎。合併で現在の市となり8年がたつが、人口減少など課題は尽きない

 

 チラシには五つの項目が並ぶ。今後の4年間に向け掲げた目玉政策。「コロナ対策」「河川改修」などとともに「学校給食費無料化」の文字が目に付く。

 栃木市長選の投開票まで1カ月を切った18日。記者会見で改めてマニフェスト(選挙公約)を説明した現職大川秀子(おおかわひでこ)氏(74)は「保護者の要望もある」と給食費無料化の拡大に意欲を見せた。

 小中学校の給食費完全無料化は、2018年の前回市長選で示した公約の一つ。しかし財源確保の問題などから実現せず、21年度から小学6年と中学3年のみを対象に無料化が始まった。

 大川氏は「財政状況を鑑みながら、対応したい」と今後を見据えるが、厳しい財政状況を踏まえて完全無料化を見直した大田原市の事例もある。実現への道のりは不透明だ。

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 「掲げた施策は財政的に可能なものばかりだ」。大川氏の対立候補となる新人高際澄雄(たかぎわすみお)氏(73)は、自身のマニフェストを示しながらこう強調する。大川氏が給食費完全無料化を実現させていないことなどが念頭にある。

 高際氏が主な施策について説明した9日の記者会見。「75歳以上のふれあいバス利用無料化」では「無料化に伴う財政支出は年間550万円程度」と具体的な数字を口にし、自信をのぞかせた。

 だが、市執行部は2月下旬の定例市議会一般質問で「持続可能な公共交通とするため、適正な負担をお願いする必要もある」と高齢者の利用無料化に慎重な姿勢を見せている。担当者は、無料化した際の費用について「75歳以上の利用者を数えておらず、分からない」と話した。

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 「無料化」などを巡り独自の取り組みがうかがえる大川、高際両氏のマニフェスト。しかし、新型コロナウイルス、人口減少、災害、環境といった喫緊の課題に向き合う姿勢は同じで、両陣営の関係者からは「正直同じ」「大きな争点はない」との声も漏れる。

 両氏のマニフェストが出そろったのは今月下旬。有権者の判断材料をどう示し、浸透させるのか。市長選の投開票は4月17日に迫っている。