4月10日告示、17日投開票の栃木市長選は告示まで2週間を切った。いずれも無所属で、市政の継続を訴えて再選を目指す現職大川秀子(おおかわひでこ)氏(74)=自民、公明推薦=と、市政を変えようと主張する宇都宮大名誉教授の新人高際澄雄(たかぎわすみお)氏(73)が立候補を表明。一騎打ちが濃厚となる中、構図や対立点を探った。

立候補を表明している大川氏(右)と高際氏

 

 言葉からは自負ものぞいた。2月下旬、定例市議会一般質問。複数の市議からマニフェスト(選挙公約)の評価を問われ、市長の大川氏は「一定の成果」と繰り返した。

 小学6年生と中学3年生の給食費無料化、産前産後ヘルパー派遣事業-。2019年の台風19号や新型コロナウイルスの影響もあったが、「(マニフェストに掲げた)10の約束の38項目のうち32項目を実現した」と胸を張る。

 現職として初めて臨む市長選。昨年12月の事務所開きには地元の自民県議3人が並び、自民系が争った過去の市長選とは異なる様相となっている。自民党県連が栃木市長選で推薦を出したのは旧市時代の07年以来で、10年の市町合併後は初めて。公明党県本部の推薦は10年以来だ。

 全市議29人のうち、支援を得たのは21人。18年の前回市長選時の9人を大きく上回る。各業界の推薦も受けている。

 組織力を持つ大川氏陣営。だが、新型コロナウイルスの影響で集会が開けずにいる。加えて「(現職への)批判は少なくない。思った以上に多い」。そう漏らす関係者もいる。告示まで3カ月を切った1月、対立候補が現れた。

   ◆    ◆

 「まず大きな問題点は、市長の公約が実現されていないことだ」。1月22日、市内で開かれた市民団体「クリーンな栃木市をつくる会」の臨時総会で、高際氏が語気を強めた。この日、市長選に名乗りを上げた。

 会は昨年11月、現在の市政に疑問を持つ市民らで発足し、候補者擁立を目指した。政治、行政の関係者ら複数人に打診して模索。しかし実現には至らず、最終的に会長の高際氏を擁立する形となった。

 高際氏は、前回市長選で大川氏が掲げた小中学校の給食費完全無料化や、とちぎメディカルセンター内の産科開設などの公約を「未達成」と批判。市政の現状を問題視し、刷新を訴える。

 「無所属、市民党」を掲げ、批判票の受け皿となり得る高際氏。後援会顧問には前回市長選で大川氏に918票差で敗れた前市長の鈴木俊美(すずきとしみ)氏が就き、激戦の名残ものぞく。

 だが、準備不足や知名度不足は否めない。陣営幹部は「走りながら体制をつくっている」と話す。支えるのは会メンバーの市民や革新系の市議、関係者ら。草の根運動で支持拡大を図る考えだ。