飲酒検知器を試運転する銀行員=25日午前、宇都宮市桜4丁目

 「白ナンバー」の車を業務に使う一定規模以上の事業者に対し、飲酒検査の義務化を盛り込んだ改正道交法施行規則が4月から施行される。栃木県内では約7200の事業所が対象となり、4月から担当者の目視による確認とその記録の保存、10月から飲酒検知器による確認が求められる。県内の事業所も飲酒検知器の購入などを進める動きがある一方、一部の事業所からは規定の曖昧さに戸惑いの声も上がっている。

 運行前の検知器を使った飲酒検査は、タクシーや路線バスといった有償で人や物を運ぶ「緑ナンバー」の車に義務付けられていた。だが千葉県八街市で昨年6月、白ナンバーのトラックで貨物を運送していた男が小学生5人を死傷させた飲酒運転事故を受けて白ナンバーも対象とされた。

 今回の改正では、白ナンバーの車両を5台以上使用しているか、定員11人以上の車両を1台以上使用している事業所が対象となる。確認は業務の開始前と終了後の2回で原則、出退勤時に行う。罰則規定はない。

 約960台の社有車を抱える足利銀行。多数の支店を持つ同行は数年前に飲酒検知器を各支店に配備していたが、使用頻度の増加を見据え350台を追加発注した。担当者は「注文が殺到していると聞いたが、かろうじて入手できた」と漏らす。2月には飲酒検知や記録作成の方法をまとめた通知文を全支店に送った。

 一方、県内のあるリサイクル業者は社有車で営業拠点に直行直帰することも多い。県警はその場合、オンライン通話などを使った検知を推奨しているが、同社の担当者は「他の仕事も兼務する中で、その場にいない社員の動きを逐一管理するのは現実的ではない」と打ち明ける。他にも「(検知記録の保存について)データが膨大になり管理が難しい」などの声も上がる。

 県警には昨年末以降、検知器の購入先などに関する問い合わせが多数寄せられている。担当者は「飲酒の有無を色や音などで確認できれば市販のもので十分」とし、「事故が起きた際に企業の信用を損なうことがないよう改めて内容の確認を」と呼び掛けている。