新型コロナウイルスワクチン接種後に「副反応疑い」として医療機関から国に報告された件数が、栃木県は826件に上ることが25日までに、県への取材で分かった。健康被害が生じたり死亡したりした場合に国が補償する救済制度には12市町から37件の申請があり、8件が認定された。申請のうち3件が死亡事例だが、認定された例はないという。

 接種後に症状が出て医療機関を受診するなどした場合、予防接種法に基づき医師らの判断で国への報告が求められる。ワクチンの副反応疑い報告の対象となる症状はアナフィラキシーや血栓症、心筋炎などで、ワクチンとの関連によらず接種後の一定期間内に発生した場合に報告する。

 一方、救済制度は医療機関を受診したり亡くなったりした場合に本人や家族が市町村に申請し、都道府県を通じて国に届け出る。認定されると医療費や医療手当、死亡一時金などが給付される。

 個人の特定を防ぐため県は詳細を明らかにしていないが、性別や年代に偏りはなく10代もいるという。症状はアナフィラキシーなどの重いアレルギー反応が大半。

 救済制度では受診証明書やカルテなど申請に必要な書類をそろえる必要があり、訴えにまで至らないケースもあるとみられる。

 副反応疑い報告については、厚生労働省の審議会で専門家による議論が継続して行われており「いずれのワクチンも安全性において重大な懸念は認められない」との評価が出ている。

 県はアレルギー反応などが起きる可能性がある人には問診で確認し、接種後も待機場所を分けるなどしている。県感染症対策課は「接種に対する理解を十分に得ながら進めていく。引き続き安全性に対する評価をしっかりと確認していきたい」としている。