市民の審判は、市議・県議31年間の政治経験を誇る前県議の相馬憲一(そうまけんいち)氏(64)に託す市政刷新だった。

 自民党籍ながら推薦は得られず、市議支援もないが、地元の中心市街地の商工業者らが協力。後援会副会長に造林業植竹雅弘(うえたけまさひろ)自民党黒羽支部長、顧問に建設業玉木茂(たまきしげる)大田原商工会議所会頭が就き、支えた。

 財政健全化への第三者委員会設置を訴え、農山村部での支持拡大を図り、企業訪問も展開した。告示間近に、自身の後援会長が責任者を務める屋台まつりへの市補助金の大幅削減が判明。「公平性を欠く」と批判し、祭り関係者も多い陣営の運動に拍車が掛かった。

 現職津久井富雄(つくいとみお)氏(72)は市議17人の支援や自公、各種団体推薦など組織力で優位に立つ一方で、3期12年の公約を転換しての4選出馬理由や、財政難への不安払拭(ふっしょく)の説明など防戦を余儀なくされた。落選は、津久井氏が後援会総連合会長を務める簗和生(やなかずお)衆院議員をはじめとした衆院3区内の政治状況に影響を及ぼしそうだ。

 相馬氏は、財政再建をはじめ公約実現に向け、オール野党に近い議会運営という課題に直面する。一日も早く選挙戦のしこりを解消し、新市政を前に進めてほしい。