昨夏の「地区防災計画策定促進検討会」。参加した県内市町の防災・福祉担当者や防災士も、多くが男性だった=2021年7月、県自治会館

 都道府県庁の防災・危機管理担当部署に関する共同通信の調査は、災害対策を巡る行政は男性中心である実情を浮き彫りにした。大規模災害が頻発する中、女性の視点をさらに取り入れた「体質改善」は急務だ。本県は、地域の防災に女性の参画を促す研修などを始めているが、取り組みは緒に就いたばかり。「生活者の視点が強い女性の視点は避難所運営の強みになる」との声が上がっている。

 県は今月中旬、災害備蓄用の生理用ナプキン2千個を確保した。県の備蓄は市町を補完する機能を持ち、水や食料、毛布などは既に備蓄を済ませている。

 危機管理課の男性担当者は生理用品の備蓄について「結果的に優先順位が低かったと言わざるを得ない」と説明。大規模災害を経験し避難所運営に女性の視点が不可欠と言われてきたが「まだまだ対応が追い付いていない」と話した。

 本県は防災・危機管理担当部署の女性職員割合が7%で、全国平均10%を下回った。危機管理課と消防防災課の職員42人のうち、女性は3人にすぎない。

 県内市町も同じ傾向だ。内閣府の調査によると、2021年4月時点で全25市町うち、防災・危機管理担当部署の女性がゼロの市町が19あった。

 東日本大震災時、避難所でのセクハラや性暴力被害も報告され、県人権・青少年男女参画課は「災害は社会的弱者をより厳しい立場に追いやる」と指摘する。

 地域防災計画を策定する地方防災会議などにも女性は少ない。県の会議委員の女性割合は21年9月時点で20%。国が目標とする30%には達していない。県内市町でも同年4月時点で、16市町が10%未満、3町はゼロだ。

 内閣府は20年のガイドラインで男女共同参画部局と防災・危機管理部局の連携を求めた。県も本年度、自主防災組織リーダー育成研修会に女性対象の回を設けるなど各担当課が連携を強化。女性リーダー育成に本腰を入れ始めた。

 15年の関東・東北豪雨や19年の東日本台風などで避難所運営に携わったNPO法人ハイジ(栃木市)の中村絹江(なかむらきぬえ)理事は「声を上げる女性リーダーの存在は不可欠」とし、平時からの男女共同参画の意識づくりの重要性を強調した。