ベンチを仕上げる参加者たち

 【足利】多くのハイカーが行き交う天狗山~両崖山の登山道分岐点に6日、市民有志が手作りした休憩所「天両分岐ベンチ」が完成した。40~50代の登山愛好家らが2週にわたり作業。本格的な登山シーズンを迎えるのを前に、新たな憩いの場が誕生した。

 製作したのは福富町、ケアマネジャー中井誠(なかいまこと)さん(47)ら15人。昨年2月の両崖山火災を機に発足した里山保護のオープンチャット「足利里山通信」で知り合い、家族ぐるみで市内各所の山岳ボランティア活動に参加している。

 休憩所製作は今年元旦、天狗山に初日の出登山をした際、「山火事1年を機に何かできないか」と中井さんが発案。西宮町の本経寺や大岩町からの登山道との分岐点でありながら呼び名がなかった同所に、老若男女が休めるシンボルを作ることにした。

 地権者の許可を取って設置したベンチは約5メートル四方。倒木を活用したほか、テーブル用板材は群馬県みどり市、工務店経営石川信義(いしかわのぶよし)さん(37)から無償提供を受けた。搬入・組み立て作業は2月27日に始まった。5~10歳の子どもたちも参加し、重さ30キロの丸太材や石を何往復もして運んだ。足元には地元そば店「大海戸」から譲り受けた竹の粉砕チップを敷き詰めた。

 今月6日は完成を祝い、協力者や西宮町のクリスタルボウル奏者斎藤千扶由(さいとうちふゆ)さんを招いて演奏会を開いた。中井さんは「火災で迷惑を掛けた山の精霊が癒やされますようにと願った。今後も里山を守る活動を続け、山の安全やにぎわいを次世代につないでいきたい」と決意を新たにしていた。