保守同士の一騎打ちが確実視される大塚氏(右)と広田氏

 4月5日の告示まで3週間を切った益子町長選は、5選を目指す現職大塚朋之(おおつかともゆき)氏(56)と元町議会議長で前町議の新人広田茂十郎(ひろたもじゅうろう)氏(67)の一騎打ちが確実な情勢だ。「次の世代へ引き継ぐための土台づくりの4年間に」と訴える大塚氏に対し、2018年の前回町長選で大塚氏の選対幹事長を務めた広田氏は「町民目線の政治に戻すべきだ」と主張する。保守分裂となった背景や争点を探った。

 「町のかじ取り役としてビジョンと決断、そして結果責任を大切にしながら、就任以来取り組んできた」

 定例町議会一般質問最終日の今月4日。過去2回、町長選で争った長岡景介(ながおかけいすけ)町議(56)に「町長の最も大切な仕事は何か」と問われると、大塚氏は歯切れ良い口調で答弁した。

■町政運営で対立

 14年の町長選で建設の是非が争点になった道の駅ましこは、16年の開業から黒字経営を続け順調に推移する。20年には茨城県笠間市と共同申請した「かさましこ ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」が悲願の日本遺産に認定され、町財政も経常収支比率の改善など一定の健全化も図られた。

 こうした大塚町政を支える有力町議の一人だった自民党員の広田氏。なぜ今回、立候補を決断したのか。

 広田氏は、昨年開かれた3年に1度の「土祭(ひじさい)」を一例に「新型コロナ禍で春と秋の陶器市が中止となる中、多くの人が集まることに不安を感じる町民の声にも耳を傾けるべきだった」と批判。

 その上で「強いリーダーシップによる功績もあるが、全てトップダウンで決めるのはどうか。町職員、議会の声も聞くべきだ。現町政のありようを変えたい」と大塚氏と袂(たもと)を分かつ理由を強調する。

■自民推薦見送り

 同党益子町支部長の岩崎信(いわさきまこと)県議(70)を選対本部長に、町議15人のうち公明党1人を含む8人が支持する大塚氏陣営。一方、広田氏陣営も自民党員の岩崎秀樹(いわさきひでき)町議(58)が選対本部長に就き、町議7人が支援や応援に回る。

 「2人とも党に貢献してきた」などとして、同支部は両氏から申請のあった推薦の見送りを決めた。大塚氏はコロナ対策の推進や子育て支援の充実、県内市町で唯一未整備の図書館新設などを主張。広田氏は大型図書館建設計画の見直しやイベントより生活優先の施策、多選の弊害などを支持者らに訴える。

 町政の継続か刷新か。有権者の審判は投開票日の4月10日に下される。