地震で崩れたレンガを見つめる藤田さん=17日午後5時50分、那珂川町小砂

地震で割れた鉢などを手にする藤田さん=17日午後5時45分、那珂川町小砂

地震で崩れたレンガを見つめる藤田さん=17日午後5時50分、那珂川町小砂 地震で割れた鉢などを手にする藤田さん=17日午後5時45分、那珂川町小砂

 16日深夜の地震で震度5弱の揺れを観測した栃木県那珂川町。伝統工芸の小砂(こいさご)焼の窯元「藤田製陶所」では、生産・販売する鉢など約20点が割れる被害があり、17日はスタッフが片付けに追われた。2011年の東日本大震災で倒壊し、再建を果たせずにいる登り窯のれんがが再び崩れてしまい、藤田真一(ふじたしんいち)代表(68)は「当時の強い揺れを思い出してしまった」と漏らした。

 同製陶所内の店舗では、直径25センチ大の鉢や高さ十数センチの花瓶が棚から床に落ち、欠けたり割れたりした。登り窯は11年前の大震災で倒壊した後、素材のれんがを窯があった場所に積み上げて保管していたが、今回の地震で再び散乱してしまった。

 藤田さんは地震発生時、地元の認定こども園児33人が手びねりで作った卒園記念の器などをガス窯で焼成中だった。強い揺れの後、焼成自体は予定通り17日未明に終えたが、窯出しまでには数日かけて窯の温度を下げる必要がある。藤田さんは「窯出しまで扉を開けられず、中の状態が分からない。器が無事であってほしいが」と気をもんだ。

 作品の大半が散乱し店舗内に足の踏み場がなくなるほどだった11年前に比べれば、今回はわずかな被害にとどまったものの「またやられた」と肩を落とした。