山門から滑車で搬出される吽形像

担架などを使って搬出された木像

解体される前の吽形像(足利市教委提供)

解体される前の阿形像(足利市教委提供)

山門から滑車で搬出される吽形像 担架などを使って搬出された木像 解体される前の吽形像(足利市教委提供) 解体される前の阿形像(足利市教委提供)

 【足利】「令和の大修復」が予定されている大岩町の大岩山多聞院最勝寺山門の市指定文化財「木造金剛力士立像」が、このほど搬出された。昨年2月の両崖山火災も経て痛々しい姿になっていた2体の木像は、3~5年かけて生まれ変わる。

 修復は今上天皇即位を記念し、同寺が計画した。2019年に外観調査、20年のエックス線調査を経て有識者らによる専門員会が発足し、22年事業開始に向けて修復方法などを検討してきた。同寺南東に接する両崖山で火災が発生した際には「持ち出せる箇所だけでも」と頭部や足、天衣などを緊急搬出。鎮火後は、損傷が激しい胴体部のみとなった木像が山門に安置されていた。

 今年2月に腕部を解体。今月4、14日の両日には湿気や虫などが入らないよう厳重に保護した胴体部の搬出作業を行った。山門に向かって右の阿形(あぎょう)像は高さ約280センチで肩幅80センチ、左の吽形(うんぎょう)像は高さ285センチで肩幅90センチ。石川工務店(日光市)の作業員4人が滑車や担架を駆使し、重さ120~140キロの木像を石段下に下ろした。

 修復を請け負う仏像修復工房「三乗堂」(鹿沼市)によると、木像は彩色がほぼなく、全重量を支える足部は朽ちて全体にひびや割れが見られる。今後、殺虫のための薫蒸やクリーニングを経て修復に入る。職人の森崎礼子(もりさきれいこ)さん(33)は「3~5年はお預かりすると思う。関係者と繰り返し協議しながら慎重に作業を進めたい」と気を引き締めた。

 同寺は修復費を5千万円と見込み、勧進を募っている。詳細は同寺ホームページ(https://www.oiwasan.or.jp)。