オンラインで取材に応じる清水准教授。ロシアの核兵器使用を懸念している=14日午後

 ロシアがウクライナに侵攻を始めてからまもなく3週間。戦禍の終息は見通せず、市民を含め犠牲者は増え続けている。国際関係論が専門の宇都宮大国際学部清水奈名子(しみずななこ)准教授は、ロシア側による核兵器使用に懸念を示し「今回の教訓はいかに核兵器をなくしていくかではないか」と核軍縮の必要性を強調した。

 清水准教授は「今急いで軍事侵攻しなければならない切迫性はなく、侵攻理由に合理性は乏しい」と指摘。「ウクライナが西を向くか東を向くかは長年欧米とロシアの対立事項だった」とした上で「(ロシア大統領の)プーチン氏は短期間でウクライナを武力で支配下に置き、親ロ政権を打ち立て勢力下に置こうとしたが失敗し、ロシア側にも犠牲が出ている」と説明する。

 今月2日、国連総会の緊急特別会合でロシア非難の決議案が141カ国の賛成多数で採択され、ロシアの国際的孤立が浮き彫りに。国際刑事裁判所などが戦争犯罪の調査を始め、国際社会は着々とロシア包囲網の構築を始めている。「戦争が犯罪として追及されるということを国際社会が一致して示している点は評価できる」

 ロシアはウクライナとポーランドの国境付近も攻撃。「最悪のシナリオ」として今後、北大西洋条約機構(NATO)やヨーロッパも巻き込んだ戦争となりロシアがけん制のため核兵器を使う事態を懸念する。

 ロシアがウクライナに武力行使しても周辺国は「核の威嚇」によって手出しができない。「日本でも核武装論が提起されているが、今回の戦争の教訓は、むしろいかに核兵器をなくしていくかではないか」とし核以外の軍縮の必要性にも言及した。

 ウクライナ側が降伏し、市民の犠牲を少しでも減らすべきだという意見に対しては「すごく悩ましい」。ロシアではプーチン氏に批判的な人々は粛清され、人権は守られていない。降伏した場合、政治家、ジャーナリスト、政権を支持する市民の暗殺、拷問など「重大な人権侵害が続く」とし、人権を尊重しない国による占領統治の恐ろしさに触れた。

 「やはり戦争は急に起きるわけではない。国内における人権、民主主義を守ることが平和と地続きだと今回見せつけられた」と語った。