ラジオの内容について打ち合わせる桜井さん(右)

 若い世代に伝え、一緒に考えていきたい-。福島県三春町出身で宇都宮大教育学部3年桜井脩弥(さくらいしゅうや)さん(21)は、コミュニティーFMミヤラジの「原発避難」をテーマにした番組づくりに携わっている。番組で避難した人たちの声を聞き、原発事故を自分事として考えるようになった。13日午前11時からは避難者らをゲストに迎え、3時間特番を放送する。

 東日本大震災が発生した2011年3月11日当時、桜井さんは小学4年生だった。

 三春町は、事故が起きた東京電力福島第1原発から直線距離で約50キロ。新学期が始まると、避難指示が出た町から転校してくる子がいた。自分も友人も皆、放射線量計を首からぶら下げた。「身の回りの変化から大きなことが起きたと感じた」と振り返る。

 ラジオ番組には、大学の先輩に誘われて関わり始めた。NPO法人とちぎボランティアネットワークの「次世代に伝える。原発避難10年目ラジオ」で、昨年6月から月1回放送。4月からは毎月第3日曜午後5時から「~11年目ラジオ」として継続する。「ゲストが一番伝えたいことを引き出すことが難しい。でもやりがいも感じる」と充実感をにじませる。

 これまで5人ほどの避難者から話を聞いた。「すぐそばの町で起きたことなのに、どういう人がどんなことで困ったのか知らなかった。三春町もそうなる可能性があったのに。きちんと知っていかないと」。そう痛感した。

 2月20日には「実際に現地を見よう」と福島第1原発が立地する双葉郡へ足を運んだ。新駅舎の「きれいな」JR双葉駅の近くには「荒れ果てた」家。「政府が『帰れる』と言ったとしても、帰れない状況がある」と感じた。

 これらの経験が契機となり、4月から「専属パーソナリティー」への就任を決めた。番組の構成、ゲスト選定、事前の取材、当日の放送まで幅広く関わっていく。

 初回の放送は4月17日の予定。「過ちや失敗を繰り返さないよう、今こそどうしたらいいか考えるべきだと思う。知らないことを知るきっかけをこのラジオで作れたら」と力強く語った。