各候補のリーフレットやビラ

 13日告示、20日投開票される大田原市長選。4選を目指す現職と新人3人の立候補予定者が掲げる市の課題や未来像を紹介する。

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 佐久山地区のスポーツゾーン、湯津上地区の那珂川歴史ロマンゾーン、黒羽地区の江戸文化ロマンゾーン…。大田原市の津久井富雄(つくいとみお)市長(72)は8日、政策発表会見で、新たな地域活性化策を次々に打ち上げた。

 人口は2005年の市町村合併時の7万5555人をピークに今年2月時点で7万142人。全体で7%減だが、黒羽地区は28%減の1万848人、湯津上地区は23%減の4091人と合併前の旧町村で減少が進む。

 両地区は本年度、過疎地域に指定され、市は5カ年の過疎地域持続的発展計画を策定した。それでも市の人口推計では約20年後の44年にはそれぞれ半減する。

 市が直面している人口減や地域活性化という喫緊の課題。その解決策に、企業誘致による雇用確保を挙げる立候補予定者は多い。

 前県議相馬憲一(そうまけんいち)氏(64)は「今、市内の産業団地が全て埋まっている。県と連携し産業用地の整備を進め、若者の働く場を確保する」と主張する。

 市議1期目の鈴木隆(すずきたかし)氏(63)も「今後発展が期待される情報通信技術や脱炭素化、健康に関連する企業を誘致する」とする。

 津久井氏は1月、市内の誘致企業約30社を訪問。高校生の採用枠増と、働きながら通信教育で大学を卒業した場合の大卒処遇を要望した。「若い力が残るようにし、人口減少を止めたい」と危機感をにじませる。

 もう一つの解決策として、集いや安らぎの場となる「公園」に注目が集まっている。5日のネット討論で、参加した新人3人全員が公約に公園整備を掲げた。

 市議3期を務め、「公園編」リーフレットを作るほど力を入れる星雅人(ほしまさと)氏(37)は「候補者が同じ主張をしていることは、街にとって大事な部分と認識してほしい」と視聴者に呼び掛けた。

 星氏は市民からのアイデアを基にした公園づくりを提案。「自分たちのまちは、自分たちの手で楽しくできる実感を持ってもらいたい」と訴えた。

 鈴木氏は「子どもが安全安心に過ごし、高齢者もくつろげる公園」を掲げた。

 相馬氏は、歴史を観光に生かした地域活性化を目玉政策に挙げた。「湯津上の国史跡・侍塚古墳の公有地化を進め、大型バス駐車場も備えた歴史公園を造る」と強調した。

 津久井氏が新たに発表した構想には類似性も漂い、政策の競い合いにも激しさが増す。

 その一方で、新人3氏によるネット討論のリアルタイムの視聴者数は二けた台にとどまった。人口減少の中、どのような未来を描くのかは、市民の選択に懸かっている。