毎年秋に群れで遡上していたヒメマス。2017年を最後に遡上数は激減している=17年9月、中禅寺湖の菖蒲ケ浜

秋のヒメマス捕獲数の推移

毎年秋に群れで遡上していたヒメマス。2017年を最後に遡上数は激減している=17年9月、中禅寺湖の菖蒲ケ浜 秋のヒメマス捕獲数の推移

 奥日光・中禅寺湖を代表する魚のヒメマスの記録的不漁が続いていることを受け、国と県、地元漁協は、原因究明と改善に向けて大がかりな調査に乗り出した。2011年の東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響で、魚を湖に戻す「キャッチアンドリリース」規制が導入され、釣り環境が激変。大型魚が増え、ヒメマスの生存に悪影響が出ているとの見方があり、調査では大きな稚魚を放流するなどして3年をかけて原因を検証する。東日本大震災に伴う原発事故から11年。「マス釣りの聖地」と呼ばれる湖は今も事故の爪痕と向き合う。

 漁協は毎秋、湖に注ぐ川を遡上(そじょう)するヒメマスを捕獲し、卵を人工ふ化させ翌年春に稚魚を放流している。もともと一定の数の変動がある魚だが、原発事故以降は捕獲数の変動幅が一気に拡大し豊漁と不漁を繰り返した。17年は1万匹を超え、過去最多を記録した。

 一方、18年以降は不漁が続き、19年4匹、20年0匹、21年2匹と3年連続で「過去最低レベル」(漁協)で推移。漁協は現在、いけすで育てた養殖魚から採卵せざるを得ない状況だ。