DAIJIに集う子どもと保護者ら

 【下野】重症心身障害児を対象としたデイサービス施設「DAIJI(ダイジ)」が緑6丁目に開所し、間もなく1年を迎える。施設を運営するのは重症児の次男がいる長谷川貴嗣(はせがわたかし)さん(29)、仁美(ひとみ)さん(38)夫妻。医療的ケアが欠かせない子どもを受け入れる施設が少ない中、「自分たちがやるしかない」と自宅を改装して開設した。利用者からは「同じ境遇の親が運営しているから安心」と好評で、重症児や家族のよりどころになっている。

 施設を運営するNPO法人「だいじ」の理事長は貴嗣さんが、実務を担う管理者は仁美さんが務める。開所は昨年4月。2歳からの未就学重症児の発達支援、18歳までの就学児の放課後等デイサービスを行う。1日の定員は5人。

 法人と施設の名称は、栃木弁の「大丈夫」の意味。「ここなら大丈夫」と思えるよう願いを込めた。重い障害のある子どもたち7人が通所している。

 開所のきっかけは、次男愛樹(まなき)ちゃん(4)との生活。愛樹ちゃんは人工呼吸器が必要で、日常生活の全てに介助が不可欠だった。2歳までほぼ病院で過ごしたという。

 知的障害もあり、療育手帳は最重度の「A1」。退院後は近くに預けられる施設がなく、仁美さんは付きっきりの生活になった。

 「ないなら自分でつくろう」。夫婦で施設の開設を決意した。子どもの入院生活を共にした母親仲間にも背中を押され、2年ほど前に準備を始めた。

 施設としての認定に必要な設備基準をクリアするため、自治医大付属病院近くの自宅を改修。自分たちの住まいは近所のアパートとした。運営は自己資金と寄付のみのため、経営は厳しい。貴嗣さんは会社員として働いている。

 子どもの入院中に長谷川さん夫妻と知り合い、開所から5歳の息子を通わせる関口友美(せきぐちともみ)さん(47)=栃木市新井町=は「子どもの入院も少なくなったし、私もお母さんたちと交流できてうれしい。『疲れたな』と思うことがなくなりました」と話す。

 仁美さんは「重症心身障害児はあまり認知されていない。子どもたちの存在や、毎日頑張っていることを知ってほしい」と話している。

 県障害福祉課によると、県内の障害児の通所施設293カ所のうち、重症児を主に受け入れる施設はダイジを含め10カ所。