野村萬斎(中央)らが演じた「咲嘩」の一場面=5日午後、県総合文化センター

 県総合文化センター開館30周年を記念した「狂言 万作の会」(とちぎ未来づくり財団・県主催、下野新聞社共催)が5日、同所メインホール特設能舞台で行われ、約700人が人間国宝の野村万作(のむらまんさく)(90)、息子の萬斎(まんさい)(55)、孫の裕基(ゆうき)(22)の親子3代の至芸を堪能した。

 公演の見どころは、狂言らしいおかしみのあるやりとりが楽しめる「咲嘩(さっか)」。万作の会による県内上演は「初めてとみられる」(県謡曲連盟)といい、主人の伯父と間違えて詐欺師の咲嘩を連れて来てしまった太郎冠者(たろうかじゃ)の滑稽さを、萬斎が豊かな表現力で演じて笑いを誘った。

 1日付で日本芸術院の新会員となったばかりの万作は、法華僧と浄土僧が互いに自分の宗派が一番と言い争う「宗論(しゅうろん)」を演じ、裕基は小舞「芦刈(あしかり)」で優雅な舞を披露した。

 小山市駅南町3丁目、無職宮沢勇八(みやざわゆうはち)さん(86)は「芦刈の活発な動きが特に印象的だった」と話していた。