ノルウェーへの海外遠征に同行した渡瀬さん。北京パラでも選手のケアを担う=1月中旬、ノルウェー・リレハンメル(渡瀬さん提供)

海外遠征に臨む渡瀬さん(後列左から4人目)と北京パラ日本代表選手ら=2021年12月、カナダ・キャンメル(渡瀬さん提供)

ノルウェーへの海外遠征に同行した渡瀬さん。北京パラでも選手のケアを担う=1月中旬、ノルウェー・リレハンメル(渡瀬さん提供) 海外遠征に臨む渡瀬さん(後列左から4人目)と北京パラ日本代表選手ら=2021年12月、カナダ・キャンメル(渡瀬さん提供)

 4日に開幕する北京パラリンピックに宇都宮市桜5丁目、「障がい者スポーツトレーナー」の渡瀬由葉(わたせゆうは)さん(30)がクロスカントリースキー・バイアスロン日本代表のスタッフとして初めて同行している。「パラリンピックに携われるなんて夢のよう。選手たちのコンディションを整え、最高のパフォーマンスを発揮できるようにしたい」。選手たちと共に大舞台に臨む。

 渡瀬さんは宇都宮女子高から早稲田大スポーツ科学部へ進み、アスリートの健康管理やけがの予防などの専門的な知識を学んだ。身体づくりと能力向上を総合的に支える「アスレティックトレーナー」の資格や鍼灸(しんきゅう)師、あん摩マッサージ指圧師の資格も取得した。

 転機は2018年。日本障害者スキー連盟でコーチを務める大学時代の同級生から誘いを受けた。障害者スポーツは未経験の分野。期待と不安を抱きつつ同年秋に代表合宿へ参加した。

 練習を見て、選手と接して悟った。「障害への配慮は必要。でも特別なことは必要ない」。下野市内のクリニックに勤務する傍ら、月1回のペースで国内外の合宿に同行してきた。

 20年2月には障がい者スポーツトレーナーの資格も得た。障害に対する幅広い知識が求められ、有資格者は全国に230人ほどしかいない。地道な努力や実績が評価され、北京パラのスタッフに選ばれた。

 クロスカントリースキー・バイアスロンの日本代表選手は18~47歳の9人。生まれつき手首から先がなかったり、病で視野が欠けたり、障害の種類や程度は一人一人異なる。筋肉の特徴や疲労の原因を見極め、「選手にとって何が1番か」を常に意識し、マッサージなどのケアを施す。

 パラ期間中は選手村に滞在する。幅広い年代の選手たちは「家族のように仲がいい」と言い、「万全の状態で試合に臨めるよう心身両面から支えたい」と意気込む。

 昨夏の東京パラを機に障害者スポーツへの関心は高まりつつあるが、「五輪に比べれば認知度は高くない」と受け止める。「競技性の高さやルール、クラス分けの奥深さなど魅力を知ってほしい」。選手たちの傍らで共生社会の実現を願っている。