昨年12月の県議会通常会議。県議の9割を男性が占め、女性は6人しかいない=2021年12月、議会本会議場(県議会事務局提供)

 栃木県議会の女性議員の割合が12・8%にとどまる本県。女性議員増を目指す2018年の「政治分野の男女共同参画推進法」の施行後も女性が圧倒的に少ない状況は続き、「民意の縮図」には程遠い。多くの女性議員は、古い固定観念の根強さを感じながらも「性別、年代が偏ると議題も偏ってしまう」と訴え、議席や候補の一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」などに期待を寄せる。

 DV(ドメスティックバイオレンス)、貧困…。「女性が抱える問題が『個人の問題』として片付けられる」。5期目の山田美也子(やまだみやこ)県議(66)はそう感じてきた。男性中心の県議会。「当事者意識が薄く、問題の緊迫感が伝わりにくい」

 3期目の渡辺幸子(わたなべさちこ)県議(39)は「性別で対立軸を作る必要はない」と言いつつも「偏った性別、年代構成では議題も偏りがちになる」と話す。

 古い固定観念はなお残っている。渡辺県議は、その「ジェンダー・バイアス(性別に基づく思い込み)」が女性の政治参加を難しくしていると感じる。

 15年12月に第1子を出産し、県内で初めて議員として産休を取った。「後輩議員のため前例を作りたい」という強い思いがあった。

 出産前のあいさつ回り。「女性に優しい社会を作りたい」と伝えると、年配の男性が「女性は家庭に入るもの」という考えを念頭に言った。「じゃあ、あなたが最初に仕事を辞めなくちゃね」。衝撃を受けた。

 産後2週間で公務に復帰し、翌年2月の通常会議で一般質問に立った。「体はぼろぼろ。気付かれないようにトイレで搾乳しては捨てた」と言う。「『だから女はだめなんだ』と言われないように」といつも気を張っていた。

 女性の政治参画の機会が失われるほど政策の多様性も乏しくなる。

 現在、超党派組織「県地方議会女性議員連盟」会長も務める山田県議。「県議会、女性2人は少なすぎ」を掲げ初当選して20年余りがたった。「政治の世界はまだまだ男社会。遅れているよね」と嘆息する。

 「固定観念を覆していくには新しい視点が必要」。クオータ制の導入で「民意の縮図」にふさわしい議員構成を期待している。