「戦う茂木一族-中世を生き抜いた東国武士-」を持つ高橋教授

 【茂木】中世の茂木を治めた在地領主・茂木(もてぎ)氏の実像に迫る「戦う茂木一族-中世を生き抜いた東国武士-」が2日までに発刊された。中世史が専門で県指定文化財「茂木家文書」を研究する高橋修(たかはしおさむ)茨城大教授(57)が編集し、ふみの森もてぎが監修、同館職員らも執筆陣に加わった。同文書を中心にした研究成果をまとめ、茂木氏の本拠・茂木郡(茂木保(もてぎのほ))の歴史像を伝える好著に仕上がった。

 戦う茂木一族は、A5判240ページで高志書院刊、3300円。茂木一族が鎌倉時代から江戸時代初めまで約400年間、戦乱に巻き込まれながら所領と家名を伝えて武家として自立を保った歴史を、一般読者にも分かりやすく解き明かした。

 茂木家文書を中心に豊富な歴史資料と現地調査を踏まえて、第1章の「『茂木知定』の幻影-鎌倉御家人としての茂木氏-」から、第7章「茂木城の歴史と構造-本城の姿とその周辺-」までの章立て。各章の間に、今も残るさまざまな遺物や地名などの痕跡と史実を結びつける読み物としてのコラムを7本挟んでいる。

 高橋教授を含め県内外の研究者12人が執筆。町教委とふみの森もてぎの職員2人もコラムを書いている。茂木の安養寺に「頼朝(よりとも)の墓」があることの謎にも触れ、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で描く物語とゆかりが深い地であることも実感できる。

 高橋教授は「茂木文書から復元される茂木一族や茂木保の歴史像を、研究成果として地域に届けようと考えた」と出版の狙いを語る。また、「(13人の一人、八田知家(はったともいえ)を始祖とする)鎌倉御家人としてのスタートと、事件に巻き込まれながら一族を確立する過程が非常に面白い」と話す。

 ふみの森もてぎの小林裕子(こばやしゆうこ)館長は「読みやすく分かりやすい。大河ドラマ放送中というタイミングもいい」と話した。一般書店や通販サイトで販売している。ふみの森もてぎでも取り扱っている。

 (問)ふみの森もてぎ0285・64・1023。