帝京大が行っている女子中高生向けサイエンスキャンプの様子=2020年2月、同大宇都宮キャンパス

 理工系女子を巡るアンケートで浮き彫りになったジェンダーバイアス。県内でも、女子に一層門戸を広げるための課題として、その無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」の払拭(ふっしょく)や、キャリア形成の手本「ロールモデル」の不足を指摘する声が上がっている。一方、県は本年度、理工系の女性活躍促進に向け、高校生らを対象に調査を実施した。女子中高生の理工系選択を支援する大学も出てきている。

 「先生に『女性だと研究職の就職は難しい』と言われた」「農業系への進学に両親は『進路が狭まる』と反対だった」。県の調査報告書では、こうした大学生の声が散見される。

 高校生への意識調査では女子の23・8%が「性別を理由にした進路選択の推奨を受けた」を選び、男子より6・6ポイント高かった。

 帝京大理工学部(宇都宮市豊郷台1丁目)では、在籍者930人に占める女子学生の割合が12・6%にとどまる。

 平澤孝枝(ひらさわたかえ)准教授は「工学、機械系は男の仕事という意識が親御さんに根強く、女子が理工系に進むことをやめる例もある」と指摘する。

 さらに「産業構造が変化し、物事の価値観に対応する中で女性の新たな視点やセンスが求められるようになっている」とし、「アンコンシャス・バイアスの払拭に、政治、教育など社会の幅広い側面から取り組む必要がある」と強調した。

 「理工系=男社会」とも言える現状を変えようと、同大宇都宮キャンパスは2016年度から女子中高生の理系進路選択支援プログラムを始めた。大学の機器を使った実験や、ロールモデルとなる女性研究者や女子大学生との交流を通して魅力を発信している。

 高山優子(たかやまゆうこ)准教授は、出産や育児によってポストを失う女性研究者をたくさん目にしたという。「育児と研究を両立できるキャリアサポート体制は必須」と訴える。