1930年代に米国で始まったNIE。教育に新聞を活用する活動で、今や世界的な取り組みとなっている。日本での始まりは、米国に半世紀遅れた1985年。新聞の普及率を考えれば、少し遅い気がしないでもない▼先週、盛岡市で開かれたNIE全国大会に参加した。東日本大震災後、岩手、宮城、福島の被災3県として初の開催である。将来の復興を担う子どもたちが、新聞を活用し防災や郷土愛を育む学習に取り組む姿が印象的だった▼公開授業で、小学6年生は災害関連記事を使い、緊急時の避難についてまとめた。「垂直避難」「災害弱者」など、小学生には難しい言葉が飛び交う。授業内容は手作りの新聞となり、地域に回覧されるという▼高校3年生は、新聞広告に掲載された震災犠牲者へのメッセージを基に作った曲を披露した。歌声は聞き入る人たちの涙を誘った▼全体会では「新聞は子どもたちと地域を結ぶ接着剤」との指摘があった。子どもたちは、NIEで培った情報や感動を提供し、自分たちが地域の結びつきを強める側に回っている。頼もしい限りだ▼来年の全国大会は8月に宇都宮市で開催される。栃木の子どもたちは、どんな成果を発表してくれるのだろうか。小欄もより良質なコラムを届けることで、少しでも子どもたちの手助けになれればと思う。