小学校入学時、子どもが環境の変化になかなか慣れず、落ち着かない状態が続く「小1プロブレム」。集中して授業を受けられず、学力に影響することもある。県連合教育会が作製した小学校入学準備冊子「新版もうすぐ一年生 新入生をもつご家庭の方へ」の編集に携わった宇都宮市姿川第二小の森田浩子(もりたひろこ)校長と、県総合教育センター幼児教育部の前原由紀(まえはらゆき)副主幹に、入学前に身に付けておきたい力や親ができることなどを聞いた。

 小1プロブレムは子どもが小学校へ入学した後、集団生活や学校の雰囲気になじめないことで生じるといわれている。森田校長によると、例えば授業中に個人的な話を始めてしまう、先生の話を聞くことができずに教室内を勝手に出歩いてしまう、などが挙げられる。

 小学校は「時間割が細かく決まっていて、授業は先生の話を聞きながら進める形式」だ(森田校長)。さらに、登下校はバスではなく自分で歩いて学校へ向かう場合が多い。こうした保育園・幼稚園との違いに児童が戸惑い、朝の登校時には子どもが「行きたくない」と泣いてしまうこともある。

 子どもを受け入れる小学校側は、変化した環境にできるだけ早く慣れてもらおうと、例えば国語の時間に読み聞かせをしたり、関連する歌を歌ったりしている。実際、現行の「小学校学習指導要領」の生活編でも、幼児期の教育と小学校教育を円滑に接続しようと、入学当初は通常よりも短い時間で時間割を構成するなどの工夫が例示されている。

 入学前にできることとして、森田校長は「小学校のイメージを膨らませてあげることが大事」と話す。保護者が実際に経験した小学校の思い出を子どもに話すことで、園との違いや楽しさを伝えられる。

 生活面に関して、前原副主幹は「起床の時間など、毎日の生活リズムを整えておくことが大切」と説明。小学校生活が始まると、これまでよりも早く起きる必要がある場合も。保護者の仕事の時間など、各家庭によって生活状況は異なる。子どもの健康を考え、それぞれに合ったリズムを作ろう。

 登下校を踏まえ、通学路や交通ルールも教えておこう。車社会の中で、子どもが歩道を歩くことも少なくなっている。「親子で休日に散歩がてら学校まで歩くと体力作りにもなる」と勧める。

 実際に通学路を歩くことで、保護者自身が危険なスポットや気を付けて歩きたい場所が分かることもある。「注意して歩いてね」「ここの横断歩道はボタンを押してね」など、教えながら一緒に歩いてみよう。

 小学校では限られた休み時間の間にトイレへ行ったり着替えたりするなど、これまでとは異なる生活になる。一時的に困惑し、できないことがあるかもしれないが、子どもは徐々に慣れできるようになることも多い。

 前原副主幹は「小学校入学への保護者の不安が子どもに伝わり、余計に怖がってしまうこともある。小学校へ行くことを親子で楽しむぐらいの心構えでいてほしい」と話している。

「新版もうすぐ一年生 新入生をもつご家庭の方へ」

 「新版もうすぐ一年生 新入生をもつご家庭の方へ」は、入学前に身に付けたい生活習慣などを分かりやすく紹介している。B5判23ページ、1部200円。幼稚園や保育園など幼児教育施設経由で販売している。